「得意なショット」を軸にする、米国プロ流の考え方
米国のLPGAティーチングプロ、ケリー・ステンゼル氏がGOLF.comで語っているコースマネジメントの考え方は、実はとてもシンプルです。飛距離でも根性でもなく、自分の「再現性の高いショット」を軸に作戦を組み立てるというものです。90〜110台のスコアで回っている方にとって、これは今日から使える視点だと感じます。
飛距離やスコアではなく「球筋の再現性」で選ぶ
例えば、右に少し曲がる球筋が自分の基本球だとします。その場合、無理にストレートやドローを狙うより、最初から右に出る前提でターゲットを決めた方が結果は安定します。ステンゼル氏の考え方も同じで、「今日はこのクラブでこの球筋なら大きく外さない」という自分の得意パターンを、ホールごとの作戦の出発点に置くことを勧めています。
実際の場面:ドッグレッグホールでの判断
右に曲がるミドルホールで、左サイドがOB、右サイドはラフだけという場面を想像してください。多くのアマチュアはピンを見て「まっすぐ狙おう」としますが、これは自分の球筋を無視した選択です。普段から軽くフェードがかかる人なら、あえて左のティーマークを狙ってフェードで戻す。これだけで、大叩きにつながる左のOBゾーンをほぼ消すことができます。
グリーンの「狙うべきサイド」を見極める2つの視点
ケリー・ステンゼル氏の5カ条の中でも、特に実践しやすいのがグリーンの狙い方です。ピンフラッグだけを見て打つのではなく、グリーン全体のどちら側が「安全地帯」かを先に決めておく考え方です。
ピン位置より傾斜とハザードを優先する
グリーン奥に深いバンカーがある、あるいはグリーンの左半分だけ大きく傾斜しているといったホールでは、ピンがどこにあってもまず「外していい側」を先に決めます。その上で、ピンに近づけることよりも、外れても寄せやすい位置に運ぶことを優先するという考え方です。これは我慢や消極性ではなく、次のショットまで含めた打数の計算です。
パットのしやすさまで逆算する
グリーンに乗せた後の話まで含めて狙うのも、この原則の面白いところです。同じグリーン内でも、ピンより手前に外れれば下りのやさしいパットが残り、奥に外れると速い下りの難しいパットになる、というケースは珍しくありません。狙うサイドを決める段階で「外れたときにどんなパットが残るか」まで考えておくと、3パットの回数は自然と減っていきます。パットの入りやすさそのものを底上げしたい方は、パット精度が上がるライン入りゴルフボールおすすめ3選もあわせてチェックしてみてください。
5カ条を90〜110台向けに整理すると
ケリー・ステンゼル氏が挙げている考え方を、スコア90〜110台のゴルファー向けに実践しやすい形に整理すると、次のようになります。
- 自分の基本球筋を把握し、それを軸に狙いを決める
- ピンではなくグリーンの「安全なサイド」を先に決める
- 外れたときに残るパットの向きまで想定する
- ハザード側ではなく、寄せやすい側にミスを寄せる
- 「攻めるホール」と「守るホール」を事前に分けておく
飛距離を伸ばす練習に比べると地味に見えるかもしれませんが、これらはクラブや体力に関係なく、今日のラウンドから使える判断力の話です。
コース以外でも役立つ準備 — 練習と装備の見直し
自分の得意球筋を知るための練習法
そもそも「自分の得意なショット」がはっきりしていないと、この考え方は使えません。練習場で同じクラブを10球打って、どちら方向に散らばりやすいかを確認するだけでも十分です。特にアイアンは番手ごとに球筋の出方が変わることもあるので、自分の手元にあるクラブの傾向を一度整理しておくと、コース上での判断が速くなります。番手選びそのものを見直したい方は、ゴルフアイアン 売れ筋ランキングTOP5【2026年5月最新】も参考にどうぞ。
暑さで判断力が鈍る夏こそ装備を整える
意外と見落とされがちですが、判断力は体調に大きく左右されます。特に夏場は、後半になるほど「面倒だから今日はまっすぐ狙おう」といった雑な判断が増えやすい時期です。せっかくの5カ条も、体力が切れてしまえば実践できません。18ホール通して集中力を保つためにも、夏のゴルフ暑さ対策グッズ4選【熱中症を防いで快適プレーを】で紹介しているアイテムを取り入れて、後半の判断力を守ることをおすすめします。
グリーンで結果を出すための最後の一押し
狙った通りに打っても外れる、そのギャップを埋める工夫
コースマネジメントで狙いを絞り込めても、最後にパットが決まらなければスコアには反映されません。特にグリーンのサイドを見極めて寄せても、そこからのラインが読みにくいと感じる方は多いはずです。正直なところ、ライン入りのボールが劇的にスコアを変えるわけではありませんが、構え直しの手間が減り、狙った方向に集中しやすくなるという声はよく聞きます。すでに紹介したライン入りボールと合わせて、まずはコース上での「狙う場所」の決め方から見直してみてください。
ケリー・ステンゼル氏の5カ条は、特別な技術やパワーを必要としません。次のラウンドでは、ティーショットの前に「自分の得意な球筋は何か」「グリーンのどちら側なら外れても安心か」の2つだけを、いつもより数秒長く考えてみてください。それだけで、これまで何気なく打っていたショットの精度が変わってくるはずです。